少し前、「外国人労働者は“ずっと日本で働きたい”と思っているのか?」というテーマでブログを書いた。
その中で、ベトナムの技能実習生や特定技能人材の多くが実は多くが「いずれは自国に帰りたい」と考えているという現場の実感を紹介した。
たとえば「ある程度働いたら帰国して、地元で家を建てて家族と暮らす」。
そんな将来像を描く人たちだ。
つまり、日本は“働きに来る場所”であり“住み続ける場所”ではない。
私はそう受け止めていたし、今もそう思っている。
ところが、カンボジアの関係者との会話の中で、例外もあるなと感じた。
彼らは農業や製造業に強みを持つ、現地でも信頼のあるプロフェッショナルの方達だが、その意見交換の中でなるほどと思うことがあった。
「最近は、日本でずっと暮らしたいという若者が多い」
「地方で中古住宅を購入して、介護の仕事をしながら生活している人もいる」
「その人がSNSで日本の暮らしを投稿したら“私も行きたい!”という声がどんどん集まってきて……」
えっ、日本にずっと“住む”前提!?
しかも家まで買って……?
稼いだら国へ帰る→ずっと日本で暮らすつもりで来る
この違いは、けっこう大きい。
なぜこんな違いがあるのか?
① 経済状況の違い
ベトナムのように母国の経済成長が進み、都市部では働く場も増えている国と、そうではない国の違いだと思われる。カンボジアの平均月収が依然として3〜5万円程度ということで、日本との生活水準の差が大きいままだ。
「帰っても生活が立ち行かないなら、日本に住みたい」と考えるのは、自然なことかもしれない。
② SNSによる“ロールモデルの可視化”
先に日本に渡り、地方で働きながら暮らす人が、SNSを通じて日々の生活を発信する。
それを見て「私もあんなふうに暮らしたい」と感じる若者たちが動く。
この“見えるロールモデル”の効果は、もはや送り出し機関よりも強力かもしれない。
③ 働く理由の変化:「誰かのため」から「自分の人生」へ
ベトナム人には「家族のために日本で働く」という意識が強かった。
しかしカンボジアの若者たちからは、「日本で自分の人生を築きたい」という、より“個”を重視した志向が感じられた。
「日本で今後も生きていきたい」と思っている人もいる
今回のやり取りで印象に残ったのは「日本に一時的に稼ぎに来る」人と、「人生の拠点として日本を選ぶ人」がいるということ。
「全ての外国人が日本に永住したいと思っているはず」と勘違いしている人もいるようなので、そうじゃありませんよ、という趣旨のブログを以前は書いた。
今回は、出身国や職種によっては「日本で永住したい」と考えている人々が一定数いて、そして、都市部ではなく“地方”こそが深刻な人手不足に直面しており、労働力を強く求めているという現実があり、その中でも農業・漁業・製造業といった、これからの日本にとって不可欠な分野において、外国人材と地域社会の双方にとって win-win どころか、三方よし(地域・企業・本人)となる可能性があることを強く感じた。
これは単なる「外国人材」の話にとどまらず、人口減少問題を抱える地方都市のソリューションにつながる話だと改めて感じた。
最後に
「外国人労働者」という言葉で一括りにしてしまうと、見えなくなる“違い”が確実に存在している。
国によって、世代によって、そして何より個人によって、働く理由も、来日への期待もまったく異なる。
帰る人もいれば、住みたい人もいる。
それぞれに背景があり、それぞれに人生がある。
このことを理解することこそが、これからの受け入れと定着支援において、最も大切な視点ではないかと思う。

