#27 遺言書の証人、誰にお願いすればいい?

01相続・遺言

こんにちは。神戸・西宮・尼崎・伊丹・宝塚・川西など、兵庫県の阪神地域を中心に活動している行政書士の小田晃司です。
相続・遺言(とくに公正証書遺言の作成サポート)を中心に、在留資格や各種許認可など、地域に根ざしたサポートを行っています。

「公正証書遺言を作りたいのですが、証人が2人必要と言われて困っています」
──実は、遺言書の相談を受けていると、この「証人をどうするか」で悩まれる方がとても多いです。

「友人に頼むのは気が引ける」
「家族に内容を知られたくない」
「そもそも誰が証人になれるの?」

今回は、これまで数多くの遺言書作成に立ち会ってきた行政書士として、証人選びの基本から実務まで、わかりやすく解説します。


なぜ証人が必要なの?

まず、基本から確認しましょう。
公正証書遺言には必ず2名の証人が必要です(民法969条)。これは法律で定められています。

証人の役割は、遺言の作成が正しく行われたことを確認し、その証拠を残すことです。
具体的には次のような役割があります。

  1. 本人が確かに遺言をしたこと
  2. 本人の意思がはっきりしていたこと
  3. 公証人が内容を正しく読み上げたこと
  4. 遺言の内容に誤りがないこと

つまり、証人は「この遺言は本人が自分の意思で作ったものですよ」と証明する存在です。
後から「本当に本人が書いたのか?」「誰かに無理やり書かされたのでは?」といった疑いを防ぐための、大切な仕組みなのです。


証人になれない人(法律で決まっています)

ここが最も注意すべきポイントです。
実は、証人になれない人が民法で明確に定められています(民法974条)。

証人になれない人

  1. 未成年者(18歳未満)
    ※民法上の「未成年者」とは、遺言の時点で18歳未満の方を指します。
  2. 推定相続人や受遺者、その配偶者や直系の親族
    例:配偶者・子ども・孫・両親・祖父母など
  3. 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記、使用人

つまり、家族や財産をもらう予定の人は証人になれません。
「夫や子どもに頼めばいい」と思っている方は、ここで注意が必要です。

なお、兄弟姉妹は原則として証人になれますが、遺言者に他の相続人(配偶者・子・直系尊属など)がいない場合には、推定相続人になる可能性があります。
不安な場合は、専門家に確認するのが確実です。


証人に求められる条件

法律で「なれない人」は決まっていますが、「なれる人」にも一定の条件があります。

必要な条件

  • 成年である(18歳以上)
  • 相続人・受遺者、その配偶者や親族ではない
  • 日本語を理解でき、内容を把握できる判断能力がある

望ましい条件

  • 秘密を守れる
  • 後日、連絡が取れる
  • 信頼できる人物である

実際に誰に頼めばいいの?

証人候補として、主に次の4つのパターンがあります。


① 友人・知人に頼む

メリット: 費用がかからない、気心が知れている
デメリット: 内容を知られる、守秘義務がない、頼みにくい

実際に「友人に頼んだら、後日ほかの人に話してしまった」というトラブルもあります。
悪気はなくても、口から漏れてしまうことがあるため注意が必要です。


② 公証役場に紹介してもらう

公証役場によっては、証人を紹介してくれるところもあります。

メリット: 手配の手間が省ける、慣れた人が対応してくれる
デメリット: 全ての公証役場で対応しているわけではない、紹介された証人へ費用がかかる(1人5,000円〜1万円程度)

事前に「証人を紹介してもらえますか?」と確認しておくと安心です。


③ 行政書士など専門家に依頼する(おすすめ)

もっとも安心で、実際の現場でも最も多いのがこの方法です。
私の事務所でも、ほとんどの方が行政書士や司法書士などの専門家に証人を依頼されています。

メリット:

  • 法律で守秘義務がある(行政書士法12条)
  • 証人として慣れているためスムーズ
  • 2名分を同時に手配できる
  • 遺言内容の相談から作成、立ち会いまでトータルサポート
  • 相続発生後のサポートも受けられる

デメリット: 費用がかかる(後述)

「家族に知られたくない」「友人に頼みにくい」という方には最適です。


④ 会社の同僚や近所の方

メリット: 頼みやすい場合もある
デメリット: 内容が広まりやすい、人間関係に影響が出ることも

頼みやすい反面、秘密を守る難しさがあります。慎重に選びましょう。


証人選びで失敗しないために

証人を選ぶときは、次の4点を必ず確認しましょう。

  1. 法律的に問題がないか
    相続人や受遺者、その家族ではないか?
  2. 秘密を守れる人か
    守秘義務のある職業か、信頼できるか?
  3. 長期的に連絡が取れるか
    住所や電話番号が変わりにくいか?
  4. 頼みやすい相手か
    心理的な負担が少ないか?

行政書士に証人を依頼するメリット

行政書士に証人を依頼する最大のメリットは、「安心」と「確実さ」です。

1. 法律で守秘義務がある

行政書士には守秘義務が課されており、内容を外部に漏らすことは一切ありません。
これは友人や知人にはない、専門家ならではの信頼性です。

2. 手続きがスムーズ

何度も証人を経験しているため、公証役場での流れを熟知しています。
必要書類や段取りもすべてサポートできるので、初めてでも安心です。

3. 2名同時に手配できる

行政書士本人と事務所スタッフ、または提携専門家で、2名の証人をワンストップで確保できます。

4. 遺言作成全体をサポート

証人手配だけでなく、

  • 遺言内容の相談
  • 文案作成
  • 公証役場との日程調整
  • 当日の立ち会い
    まで、すべてお任せいただけます。

5. 相続発生後のフォローも可能

遺言執行や相続手続きのサポートなど、長期的な関係を続けられる点も安心です。遺言執行者については別途記事を書きます。


費用の目安

証人のみを依頼する場合

2名で2万円〜3万円程度が一般的です。(当事務所では22,000円です。)
(証人1名あたり1万円〜1.5万円が目安)

遺言書作成サポート込みの場合

行政書士に依頼した場合、通常8万円〜15万円程度が相場ではないでしょうか。
遺言文案の作成、公証役場との調整、必要書類の取得代行などが含まれます。これに加えて、承認を依頼される場合は別途上記の費用が発生します。

「高いのでは?」と思うかもしれませんが、内容を知られない安心感と、手続きの確実性を考えれば、十分に価値のある費用だとは思います。

そこを当事務所の場合は、29,800円(税込32,780円)という低価格で提供しています。


よくある質問

Q. 証人は遺言の内容を知ることになりますか?
A. はい。公証人が内容を読み上げるため、証人も内容を知ることになります。
だからこそ、守秘義務のある専門家に依頼するのが安心です。

Q. 証人が亡くなったらどうなりますか?
A. 問題ありません。公正証書遺言は公証役場に保管されるため、証人が亡くなっても効力に影響はありません。

Q. 高齢や病気で公証役場に行けない場合は?
A. 公証人が自宅や病院まで出張してくれます(別途費用がかかります)。
この場合も証人2名が必要です。

Q. 遺言書を書き直す場合、同じ証人で大丈夫ですか?
A. はい、問題ありません。むしろ、同じ証人の方が経緯を理解しておりスムーズです。


証人選びで後悔しないために

遺言書は、人生最後の大切な意思表示です。
その証人を誰に頼むかは、遺言の信頼性を左右する重要な要素です。

  • 法律的に問題のない人を選ぶ
  • 秘密を守れる人を選ぶ
  • 信頼できる専門家に依頼する

この3つを意識すれば、間違いありません。
もし迷ったときは、無理に誰かに頼まず、まず専門家に相談してください。
最適な方法をご提案します。


遺言書作成・証人手配のご相談はお気軽に

行政書士 小田晃司(公正証書遺言書サポートセンター

「誰に頼めばいいかわからない」という方も、安心してご相談ください。
秘密を守り、丁寧にサポートいたします。


 

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