こんにちは。神戸・西宮・尼崎・伊丹・宝塚・川西など、兵庫県の阪神地域を中心に活動している行政書士の小田晃司です。
相続・遺言・家族信託など、地域に根ざしたサポートを日々行っています。
はじめに:実家が空き家になったらどうすればいい?
「親が亡くなって誰も住まなくなった家がそのままになっている」
「施設に入った親の家をこのまま放置していいのか心配」
こうしたご相談をよく伺います。空き家は放置すればするほど対処が難しくなり、結果として大きな負担になることも少なくありません。
ここでは、よくある相談パターンと、それぞれの場面で行政書士がどう支援できるかを整理しました。
パターン① 相続が終わっていない家をどうにかしたい
「父が亡くなって数年が経ち、家の名義もそのまま。兄弟ともまとまっていません。」
このケースでは、まず「相続関係を整理する」ことが急務です。
2024年4月からは、相続不動産の名義変更(相続登記)が義務化されました。
相続人は自己のために相続があったことを知り、かつ、不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に登記をしなかった場合、10万円以下の過料が科される可能性があります(不動産登記法第164条)。
つまり、「とりあえず放置」は通用しなくなったのです。
行政書士ができるのは、登記の前段階を整えることです。具体的には以下のようなサポートを行います。
- 相続人調査(戸籍・除籍・改製原戸籍の取得)
- 相関図・相続人一覧表の作成
- 遺産分割協議書の原案作成・家族への説明
- 連絡が取れにくい相続人への通知文書作成サポート
行政書士がこれらを整えた上で、名義変更が必要な場合は司法書士と連携して登記申請など、確実に手続きを前へ進める支援を行います。
パターン② 親が施設に入り、実家をどうするか迷っている
「母が施設に入って家が空きました。売るか貸すか、どうしたらいいのか決めきれていません。」
このようなご相談では、まず「現状の整理」と「将来の判断準備」が重要です。
行政書士は、以下のように“仕組みを作る”サポートを行います。
- 家族信託の設計支援
親が将来、判断力を失ってもスムーズに家の管理や処分ができるよう、「子どもが親の代わりに管理・処分できる契約(信託契約)」を設計します。
契約内容を整理し、公正証書化までフォローします。 - 任意代理契約・見守り契約の作成
親がまだ元気なうちに、「判断能力が低下した場合に、誰が何を代行するか」をあらかじめ決めておく契約です。
たとえば、銀行・介護・役所手続きなどを子どもが代理できるようにし、定期的な連絡・報告方法も契約に明記しておくことで、家族全体が安心して生活できます。 - 空き家管理委任契約書の作成
実家を管理会社や第三者に委託する際、「巡回頻度」「報告方法」「費用」「緊急対応」などを明確に契約書化します。
これらにより、「何か起きたときに誰が何をするか」が明確になり、将来の混乱を防げます。
パターン③ 遠方に住んでいて実家の管理ができない
「実家が尼崎にありますが、現在は東京在住。頻繁に様子を見に行けません。」
このような場合、最も多い悩みは「誰に管理を頼むべきか」です。
現実的には次の3つの方法があります。
- 専門業者(空き家管理サービス)に委託
月額5,000円〜10,000円程度が相場かと思われます。
ただし、建物の規模や巡回頻度で価格は上下します。
行政書士は契約内容(管理範囲・責任の所在)をチェックし、契約前のトラブルを防ぎます。 - 地元不動産会社・建築会社に委託
将来的な賃貸・売却を見据える場合、不動産会社に管理を任せるケースもあります。
行政書士は、業者の選定基準(免許・報告体制)や契約書面の確認を行い、依頼者が不利益を被らないようサポートします。 - 親族・近隣住民に依頼
費用を抑える方法ですが、口約束では責任の所在が不明確になります。
行政書士が「簡易的な委任契約書」や「委任状」を作成することで、トラブルを予防できます。
このように、「誰に」「どのように」「どれくらい」で管理を任せるかを整理し、契約として形に残すことが大切です。
パターン④ 売却・賃貸など「活用」を検討している
「このまま誰も住まないのはもったいない。どう活用できるか相談したい。」
このパターンでは、行政書士として以下の支援が可能です。
- 空き家バンク登録や補助金申請のサポート
自治体の制度を活用して、登録・補助金の申請手続きを支援します。 - 不動産事業者との連携サポート
信頼できる不動産会社と連携し、「賃貸に出す」「売却する」それぞれのリスクと条件を整理します。
行政書士は契約内容・重要事項説明書を法的観点から確認し、不利な契約にならないようサポートします。 - 契約書の確認・修正案提示
売買契約・賃貸借契約の条項のうち、所有者にとってリスクが高い部分(違約金、原状回復、解除条項など)を点検し、分かりやすく助言します。
パターン⑤ 将来の空き家を「出さない」ための生前対策
「自分の家も、将来子どもたちに迷惑をかけたくない。」
このような方には、早めの準備が効果的です。
行政書士は、生前の段階から「財産の管理」「死後の手続き」「家の処分」までを見据えた仕組みづくりを支援します。
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家族信託の設計と公正証書化支援
親が元気なうちに家や財産の管理・処分権限を家族に託す契約を設計します。将来的に判断能力が低下しても、信頼できる家族がスムーズに手続きできる仕組みです。 -
公正証書遺言の原案作成・証人手配・財産目録整理
「どの財産を誰に残すか」を明確にし、公証人立会いのもとで正式な遺言書を作成します。行政書士は内容の整理や証人手配などをサポートします。 -
任意代理契約の整備
将来、判断能力が低下した際に備え、生活費の支払い・各種契約・行政手続きなどを代理して行う権限を、信頼できる家族などに与える契約です。
「親が元気なうちは一緒に判断し、判断できなくなったら子が代理できる」というように、段階的なサポートを設計します。 -
死後事務委任契約の作成支援
亡くなった後の事務(=死後の手続き)を、あらかじめ信頼できる人に任せる契約です。
具体的には、
- 役所への死亡届の提出
- 火葬・埋葬・納骨などの手配
- 病院・介護施設の精算
- 家賃・公共料金・携帯電話などの解約
- 郵便物や私物の整理、家の明け渡し
などが含まれます。
特に「身寄りが少ない」「子どもに迷惑をかけたくない」という方が増えており、死後事務委任契約は“孤独死防止策”にもつながる現実的な制度です。
行政書士はこの契約書を作成し、公正証書化までサポートします。
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相続土地国庫帰属制度の案内
維持が難しい不動産については、条件を満たせば国に引き取ってもらうことができます。
行政書士は、制度の概要説明や申請書類作成支援を行います。
まとめ:放置せず、「整理」と「任せる仕組み」から始めましょう
空き家問題は、建物の老朽化よりも「人と書類の整理」に時間がかかるものです。
行政書士は、関係者調整・契約書作成・制度活用を通じて、「動かない現状を動かす仕組み」を整える専門家です。
もし今、「どうしたらいいかわからない家」があるなら、まずは状況を整理するところから一緒に始めましょう。
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