※この記事は、2025年11月28日の報道に基づき、行政書士として現場で見えている実情を解説します。
こんにちは。
神戸・西宮・尼崎・伊丹・宝塚・川西など、阪神地域を中心に活動している行政書士の小田晃司です。
今回の記事は、
・在留外国人の方
・外国人材を雇用する企業の方
にとって非常に重要なテーマです。
日本政府は、2026年度中に「在留資格手続きの手数料を国際水準へと大幅に見直す」方針を検討しています。
これは、日本社会と企業の外国人雇用に大きな影響を与える可能性があります。
1. 各国の手数料比較
以下は、報道資料をもとに私がブログ用に再構成した比較表です。
| 国名 | 手続内容 | 手数料(目安・円換算) |
|---|---|---|
| 米国 | 就労資格の変更・更新 | 約65,000円〜73,000円 |
| 英国 | 3年間の就労資格の変更・更新 | 約169,000円 |
| カナダ | 一時滞在許可 | 約26,000円 |
| カナダ | 就業許可 | 約17,000円 |
| ドイツ | 在留資格の変更・更新 | 約16,000円〜17,000円 |
| 日本(現行) | 在留資格の変更・更新 | 6,000円 |
| 日本(現行) | 永住許可 | 10,000円 |
→ 日本の手数料が主要国と比べて極端に低いことが分かります。
2. 日本が手数料を見直す背景
日本の現行手数料は、主要国と比べて“例外的に安い”と指摘されています。
そのため政府は、
「国際水準に合わせるべきではないか」
という議論を進めており、その一環として今回の手数料改定が検討されています。
3. 新しい上限額(政府検討中)
| 手続 | 現行 | 検討上限額 |
|---|---|---|
| 在留資格の更新・変更 | 6,000円 | 上限10万円(当初は3〜4万円台が有力) |
| 永住許可申請 | 10,000円 | 上限30万円 |
※実際にいくらになるかは、今後の政令で最終決定されます。
4. すでに申請の難易度は上がっている
今後は「企業の自力申請」「本人の単独申請」が非常に困難になる
ここでは、行政書士として実際に現場で見ている実情をお伝えします。
■ 審査は年々厳格化している
入管の審査は、以前よりもはるかに細かくなっています。
- 税務署、年金機構とのデータ照合
- 社会保険加入状況の厳格チェック
- 雇用契約と実際の仕事内容の整合性
- 転職・退職のタイミング
- 書類の形式や記載揺れの細部チェック
「書類は揃っているはずなのに不許可」というケースが
確実に増えています。
■ 手数料が上がれば、不許可=大きな損失になる
申請1回の費用が数万円〜十数万円になると、
- 再申請のたびに数万円の損失
- 外国人社員が働けない期間が発生
- 企業の採用計画が狂う
- 最悪の場合、人材喪失の可能性
という大きなリスクに直結します。
■ 結論:企業は「顧問の専門家」か「外注」か、どちらかが必須になる?!
制度が複雑化し、審査が厳しくなり、手数料が高くなる時代では、
企業や本人が“完全に自力で”申請することは非常に困難になります。
特に企業は、
- 外国人社員の更新管理
- 永住許可の準備
- 転職・変更時の申請
- 家族滞在などの派生手続き
これらを社内だけでこなすのは限界があります。
したがって、
✔ 選択肢は以下の2つに絞られます
- 専門家(行政書士)を顧問としてつける
- 必要な時だけ外注してプロに任せる
どちらかの体制が不可欠になります。
5. 「審査が遅い」という声について
入管職員はすでに限界まで多忙な状況にある
「審査が遅い」「なぜこんなに時間がかかるのか」という声はよく聞かれます。
しかし、実際に入管へ行くとよくわかることがあります。
■ 入管職員の方々は、限界を超える案件量に対応している
- 申請件数は年々増加
- 人員は大幅には増えていない
- 不法滞在対策や特定技能関係の業務も増加
- 書類の精査は、以前より何倍も細かい
- 1件あたりの審査時間が長くなっている
つまり、
審査が遅いのは“怠慢”ではなく、“案件量が物理的に多すぎる”ためです。
現場では非常に誠実に対応してくださっており、
その多忙さは行政書士として常に感じています。
今回の手数料改定は、入管の体制強化につながる一面もあります。
6. 永住許可は「事前チェック」が必須になる理由
永住許可の審査項目は非常に多岐にわたります。
- 日本語能力
- 年収・納税・社保
- 就労履歴
- 家族構成
- 過去の在留状況
- 生活実態
- 転職のタイミング
- 公的機関の照合結果
これらが複数の省庁データと突き合わせて審査されます。
準備不足のまま申請すると、
不許可 → 再申請で時間も費用も倍増
という最悪のシナリオになりかねません。
だからこそ、
永住許可は事前のチェックが非常に重要になります。
7. まとめ
- 日本のビザ手数料は主要国と比べて極端に安い
- 2026年度に大幅改定が検討中
- 審査はすでに厳格化しており、自力申請は非常に困難になる
- 企業の選択肢は「専門家の顧問」か「外注」かの二択
- 入管職員は多忙を極めており、審査が長いのは現場の事情による
- 永住許可は、不許可リスクを下げるために“事前チェック”が必須


