#44 「経営・管理」ビザ改正 既存の在留者が取るべき3年間の戦略  ~令和7年10月16日施行の許可基準改正に対応するために~

05在留資格

こんにちは。尼崎・阪神エリアを拠点に活動している行政書士の小田晃司です。
在留資格(ビザ申請)を中心に、外国人の起業・雇用支援を行っています。

令和7年(2025年)10月16日から、「経営・管理」ビザ(在留資格)の許可基準が大きく改正されブログ記事を書きました。

すでにこのビザで日本に在留している経営者の方にとって、「次の更新はどうなるのか?」 は極めて重要な問題です。

今回の改正では、既に「経営・管理」ビザを持つ方に対して、新しい基準に移行するための3年間の猶予期間が設けられています。
この3年間を「準備期間」として戦略的に使えるかどうかが、今後の在留継続を左右します。

 

まず確認!あなたの「更新」の取り扱い

施行日(令和7年10月16日)を基準とした更新申請の取り扱いは、次のようになります。

1️⃣ 施行日から3年間の猶予期間中(令和10年10月16日まで)

経過措置期間中の更新申請では、改正後の基準にまだ完全に適合していなくても即不許可にはなりません
審査では以下のような運用になります。

  • 審査の基軸:従来どおりの事業実態(継続性・収益性・社会保険や税の履行など)を中心に総合判断。
  • 追加の確認項目:改正後基準への「適合見込み」を示す資料、たとえば中小企業診断士・公認会計士・税理士等による事業計画の評価文書などの提出を求められる場合があります。

※参考:新基準の準備が進んでいるかどうかを「評価文書」などで説明することで、更新の可能性を高めることができます。


2️⃣ 3年間の猶予期間経過後の更新(令和10年10月17日以降)

この期間以降の更新申請では、改正後の許可基準に原則として完全適合していることが求められます。

ただし、以下のような例外的な「救済措置」も設けられています。

  • 経営状況が良好で、公租公課(税・社保等)を適正に履行している。
  • 次回更新までに改正後の基準を満たす見込みが客観的に認められる。

こうした場合には、その他の在留状況を総合的に考慮して更新が許可される可能性があります。


3年間の猶予期間で「経営者」が取るべき5つの対応策

この3年間を「事業の再構築期間」と捉え、以下の5項目に計画的に取り組むことが不可欠です。


① 資本金・出資の増強(3,000万円以上へ)

  • 改正後は3,000万円以上の資本金または出資額が求められます。
  • 法人の場合は「払込済資本の額」、個人事業の場合は「設備・運転資金等の投下総額」で判断されます。
  • 増資計画を立て、資本の裏付けを明確化しておきましょう。

② 常勤職員1名の雇用体制を確立する

  • 日本人、永住者、定住者、特別永住者、日本人の配偶者等のいずれかを常勤で1名以上雇用することが求められます。
  • 留学生や短期滞在者は対象外です。
  • 社会保険・労働保険への適用・納付状況が、更新時に厳格に確認されます。

③ 学歴・実務経験の確保

次のいずれかを満たす必要があります。

  • 経営管理分野、または申請事業に関連する分野の博士・修士・専門職学位を持つこと。
  • 事業の経営または管理に関する3年以上の職歴を有すること。

※これは代表者(申請者)自身に求められる条件です。


④ 日本語運用体制の確立

  • 申請者または常勤職員のいずれかが、JLPT N2相当以上(CEFR B2程度)の日本語能力を有している必要があります。
  • 日本語での契約・経理・人事管理など、日常業務を日本語で遂行できる体制が求められます。

⑤ 公租公課の完全な履行と証明

更新審査では、次の項目の適正な履行が厳しく確認されます。

  • 労働保険(雇用保険・労災保険)
  • 社会保険(健康保険・厚生年金)
  • 国税・地方税(法人税・消費税・源泉所得税等)

領収証・納税証明書・社会保険料納付書を定期的に整理・保存しておきましょう。


専門家評価付き「事業計画書」の整備

改正後は、専門家による事業計画の評価が重視されます。
中小企業診断士や会計士などに依頼し、事業の実現可能性・収益性・雇用見通しを数値で示すことが理想的です。

専門家の評価があることで、更新審査・永住申請の双方で「経営の信頼性」を証明できます。


活動実態の維持にも注意!

  • 自宅兼オフィスは原則として認められません。明確な事業所を確保することが必要です。
  • 長期間の海外滞在は、「経営活動を実際に行っていない」と判断される恐れがあります。
    → 不在時も日本の業務が継続していることを客観的に示せるようにしておきましょう。

永住権を目指すなら「改正基準への適合」は不可欠

改正後、「経営・管理」から永住許可を取る場合には、次の点に特に注意が必要です。

  • 改正後の基準(資本金3,000万円・常勤職員1名・日本語体制など)を満たしていない場合は、原則として永住申請は認められません。
  • 経営が黒字であること、役員報酬が安定していること(年収目安300万円以上)、税金・社会保険料に滞納がないことが重要です。

「永住申請=経営の健全性を審査される」と考えましょう。
改正までの3年間は、単に更新を乗り切るだけでなく、永住に向けた経営基盤の整備期間と捉えることが賢明です。


更新申請時の追加留意点

  • 活動内容説明書(任意様式)
    2025年10月16日以降の更新申請では、直近の活動内容を説明する文書の提出が実質的に必須になります。
    売上・雇用・納税状況・将来計画を明確に記載しておきましょう。
  • 他の在留資格への変更も検討
    もし改正後の基準に適合が難しい場合は、スキルや学歴を活かした「技術・人文知識・国際業務」などへの変更も視野に入ります。

まとめ:3年間で「盤石な経営体制」を築く

「経営・管理」ビザの改正は、経営者にとって負担ではなく、
“真に安定した日本での事業継続”を目指すチャンスでもあります。

  1. 資本金の増強
  2. 常勤雇用体制の整備
  3. 学歴・実務・日本語体制の明確化
  4. 公租公課の履行
  5. 専門家評価付き事業計画の策定

この5本柱を早期に進め、2028年(令和10年)の経過措置終了までに体制を整えましょう。
「更新」だけでなく「永住」も見据えた経営基盤の強化が、今後の安定在留の鍵です。


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行政書士 小田晃司(行政書士事務所羅針舎)
兵庫県行政書士会所属/Certified Visa Specialist(申請取次行政書士)

経営者の在留・更新・永住申請を、法律と経営の両面からサポートしています。
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