#42 死後事務委任契約とは?〜亡くなった後の手続きを安心して託すために〜

03地域の終活

こんにちは。
神戸・西宮・尼崎・伊丹・宝塚・川西など、兵庫県の阪神地域を中心に活動している行政書士の小田晃司です。
相続や遺言、任意後見のご相談を受けていると、よくこんなご質問をいただきます。

「亡くなった後の手続きって、誰がやってくれるんでしょうか?」

亡くなった後の事務(=死後事務)を安心して任せるための契約――
「死後事務委任契約」について、わかりやすくご紹介します。


1. 死後事務委任契約とは?

死後事務委任契約とは、
本人の死後に必要な手続きや事務を特定の人に任せておく契約です。

たとえば、次のような事務を対象とします。

  • 病院・施設への退院・退所手続き
  • 役所への死亡届の提出
  • 葬儀や火葬・納骨の手配
  • 公共料金や電話・インターネットの解約
  • 家財道具や部屋の整理・引き渡し
  • 未払い費用の精算・返還請求
  • 関係者(親族・友人など)への連絡

つまり、遺産の分け方(=相続)ではなく、亡くなった直後の実務的な手続きをスムーズに行うための契約です。


2. 遺言書との違い

「遺言があれば十分では?」というご質問も多いですが、
遺言書と死後事務委任契約は役割が異なります。

比較項目 遺言書 死後事務委任契約
内容 財産の分け方・遺産承継 死後の実務(葬儀・解約・届出など)
効力発生 死亡時 死亡後、受任者が事務を開始
主な目的 財産をどう残すか 死後の手続きを誰に任せるか
作成方法 自筆または公正証書 私文書または公正証書(推奨)

つまり、

  • 遺言書は「財産をどうするか」
  • 死後事務委任契約は「死後の手続きをどう進めるか」
    を決めるためのものであり、両方を備えることで初めて“死後の安心”が整うといえます。

3. 契約を結ぶときの流れ

死後事務委任契約は、生前に本人と受任者(依頼を受ける人)の間で結びます。

一般的な流れは次のとおりです。

  1. 行政書士が本人の希望や家族状況をヒアリング
  2. 任せたい事務の範囲・費用・方法を整理
  3. 契約書を作成(必要に応じて公正証書に)
  4. 受任者が死後、契約に基づき事務を遂行

契約の範囲を広く設定しておくことで、
葬儀や解約、整理などを家族や友人に代わって確実に行うことができます。


4. 報酬と費用の考え方

死後事務委任契約では、受任者(行政書士など)への報酬を生前にあらかじめ定めておくのが一般的です。

  • 契約時に一部を預ける
  • 残額は死後、本人の預金や遺産から支払う

といった方法で整理します。

報酬額は依頼内容や事務量によって異なりますが、
一般的には10万円〜30万円程度+実費(葬儀費・解約費など)が目安です。

当事務所てで受任する場合は、
契約内容・実施手順・費用の透明性を明確にし、
「誰が、何を、どのように行うか」を契約書で明文化します。


5. こんな方におすすめです

死後事務委任契約は、次のような方に特におすすめです。

  • 一人暮らしで、頼れる家族がいない方
  • 配偶者、子どもに負担をかけたくない方
  • 遠方に住む家族と連絡が取りにくい方
  • 遺言書は作成したが、死後の実務も整えておきたい方

特に、単身高齢者の方や子どものいないご夫婦にとっては、
死後事務委任契約が“最後の安心の砦”になることもあります。


6. 行政書士ができるサポート

行政書士は、契約書の作成だけでなく、
本人の思いや希望を丁寧に聞き取り、
最適な形で契約を整えるサポートを行います。

  • 契約書・公正証書の原案作成
  • 任意後見契約・遺言書との連携設計
  • 費用管理・支払方法の提案
  • 死後事務の実行に関する事前調整

死後事務委任契約は、「亡くなった後の安心」を生前に形にしておく大切な準備です。


7. まとめ:

遺言が“財産の整理”なら、死後事務委任契約は“生活の整理”。

どちらも、「家族や周囲に迷惑をかけたくない」という優しさから生まれる備えです。

生前のうちに、見守り契約・任意代理契約・任意後見契約とあわせて
死後事務委任契約を整えておくことで、
生きている間から亡くなった後まで、切れ目のない安心のラインをつくることができます。

行政書士として、
そのすべての段階を支える“つなぎ役”として、
これからも皆さまの安心づくりをお手伝いしていきます。


 

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