#41 「見守り契約から任意代理契約、そして任意後見契約へ」 〜元気なうちから“もしも”に備える安心の仕組み〜

03地域の終活

こんにちは。

神戸・西宮・尼崎・伊丹・宝塚・川西など、兵庫県の阪神地域を中心に活動している行政書士の小田晃司です。
相続や遺言のご相談を受けていると、よくこんな声を聞きます。

「まだ元気だけど、将来に備えて何かしておいた方がいいですか?」

今回は、そんな方に知っていただきたい
「見守り契約」「任意代理契約」「任意後見契約」という3つの契約の流れについて、
わかりやすくご説明します。


1. 見守り契約──“今の安心”を形にする契約

見守り契約とは、まだ元気なうちから行政書士などの第三者が
定期的に生活の様子を確認し、変化を見守る契約です。

たとえば──

  • 月に1回の電話や訪問で近況を確認する
  • 入院や体調変化があれば家族に連絡する
  • 確認内容を報告書として記録・保管する

こうした内容を契約書で取り決めておけば、
ご本人もご家族も「ちゃんと見てくれている」という安心感を持つことができます。

この契約は私文書(民間契約)で作成できます
ただし、見守り契約だけでは「気づく」ことはできても、
実際の手続き(銀行・役所・支払いなど)は代わりに行うことができません

そこで、次に紹介する「任意代理契約」を併せて整えておくことが大切です。


2. 任意代理契約──“動ける支援”に変える契約

任意代理契約とは、
本人が元気なうちに「この人に手続きを任せます」と決めておく契約です。

たとえば──

  • 銀行や役所での手続きを代理してもらう
  • 介護施設との契約、公共料金の支払いなどを任せる
  • 書類提出や届出などの実務を代行してもらう

など、判断力がある今から効力が発生するのが特徴です。

この契約は、私文書でも有効ですが、
銀行や行政機関でスムーズに代理行為を行うためには、
公正証書で作成しておくのが安心です。

行政書士は、
「どこまで任せるのか」「どんな場合に代理するのか」などを丁寧に整理し、
ご本人とご家族の希望に合わせて契約書を設計します。


3. 「見守り契約+任意代理契約」はセットがおすすめです

実際の現場では、見守り契約と任意代理契約をセットで結ぶケースが多いです。
理由は簡単で、両方を組み合わせることで
「気づける」+「動ける」という実効性が生まれるからです。

契約の種類 主な内容 効果
見守り契約 定期連絡・安否確認 状況を“見守る”
任意代理契約 手続き・支払い・契約代行 実際に“動く”

たとえば、
月に一度の見守りで「最近、光熱費の支払いが滞っている」と気づいたとします。
このとき任意代理契約があれば、すぐに本人の代わりに手続きが可能です。

つまり、

  • 見守り契約:早く気づく仕組み
  • 任意代理契約:すぐに動ける仕組み
    というように、2つで1つの支援体制と考えるのが実務的です。

4. 任意後見契約──判断力が落ちたときの“法的支え”

そして、将来的に本人の判断力が低下した場合に備えるのが「任意後見契約」です。

これは、あらかじめ選んでおいた人が、
家庭裁判所の監督のもとで法的な代理人としてサポートできる契約です。

任意後見契約はすぐには発動しません。
本人に判断能力の低下が見られた段階で、
医師の診断書などを添えて家庭裁判所に申し立てを行い、
裁判所が「後見開始」を決定した時点で効力が生じます。


5. 三段階で考える「安心の流れ」

契約の役割を整理すると、次のようになります。

段階 契約 主な目的 契約形態
第1段階 見守り契約 日常の安否確認 私文書で作成可
第2段階 任意代理契約 手続き・支払いの代行 公正証書が望ましい
第3段階 任意後見契約 判断力低下後の法的支援 公正証書+家庭裁判所監督

つまり、
元気なうちは「見守り+任意代理」で安心を確保し、
判断力が低下してきたら「任意後見契約」に切り替えていく流れが理想です。


6. 行政書士ができるサポート

行政書士は、単に契約書を作成するだけでなく、
ご本人やご家族の思いを整理し、最適な仕組みを一緒に考えます。

  • 現状のヒアリングと契約設計
  • 契約書・公正証書の原案作成
  • 公証役場での手続き支援
  • 家族や関係者との情報共有方法の設計

こうした支援を通じて、
「書類の準備」ではなく「安心の仕組みづくり」をお手伝いしています。


7. まとめ:安心は“つながり”の中でつくる

見守り契約は「気づく」
任意代理契約は「動ける」
任意後見契約は「守れる」

3つの契約をつないでいくことで、
“元気な今から、もしもの時、そしてその先まで”
切れ目のない安心のラインを整えることができます。

行政書士として、
ご本人・ご家族の「想い」と「生活」を両方守る仕組みを、
これからも丁寧にお手伝いしていきます。


🧭 次回予告

次回はシリーズ第3回、
「死後事務委任契約とは?」──
亡くなった後の手続き(葬儀・役所届出・解約など)をどう備えるか、
行政書士の視点からわかりやすくご紹介します。


 

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