こんにちは。
神戸・西宮・尼崎・伊丹・宝塚・川西など、兵庫県の阪神地域を中心に活動している行政書士の小田晃司です。
在留資格(ビザ申請)を中心に、外国人雇用支援や永住許可申請のサポートを行っています。
2026年3月10日、政府が入管法の改正案を閣議決定したというニュースが報道されました。
その中でも特に注目を集めているのが、
「永住許可申請の手数料の上限を1万円から30万円に引き上げる」
という部分です。
SNSなどでは
「永住申請が30万円になるの?」
「外国人に対する締め付けでは?」
といった声も見られます。
ただ、実務的に見ると、このニュースは少し誤解されやすい部分があります。
今日はこの点を整理してみたいと思います。
■ 今回決まったのは「具体的な金額」ではありません
まず重要なのは、今回決まったのは
「手数料の上限額」
だという点です。
現在の法律では、在留手続きに関する手数料の上限は
一律1万円とされています。
今回の改正案では、この上限を次のように引き上げる方向です。
- 在留資格変更・在留期間更新
→ 上限 10万円 - 永住許可申請
→ 上限 30万円
ただし、ここで注意が必要です。
実際にいくらになるのかは、まだ決まっていません。
具体的な手数料は、法律ではなく
政令(政府の決定)で定められることになっています。
つまり、今回のニュースは
「永住申請が30万円になる」
という話ではなく、
「法律上、最大30万円まで設定できるようにする」
という改正案なのです。
■ 永住だけが対象ではありません
もう一つ、誤解されやすい点があります。
今回の改正は、
永住だけの話ではありません。
在留資格の変更や更新についても
上限が引き上げられる予定です。
つまり、今回の改正は
- 永住申請
- 在留資格変更
- 在留期間更新
など、在留手続き全体の手数料制度を見直すものと言えます。
■ なぜ今、手数料見直しなのか
背景には、日本に在留する外国人の増加があります。
2025年末時点で、日本に在留する外国人は
約413万人と過去最多になりました。
入管行政の業務量も大きく増えており、
- 審査体制の強化
- システム整備
- 外国人政策の対応強化
などが必要になっています。
今回の改正は、そうした状況に対応するための
制度的な枠組みの見直しという側面もあると考えられます。
■ もう一つのポイント「JESTA」
今回の改正案には、もう一つ重要な内容があります。
それが
電子渡航認証制度(JESTA)
です。
これは、短期滞在ビザが免除されている国の外国人について、
来日前にオンラインで事前審査を行う仕組み
です。
アメリカの ESTA と似た制度です。
政府はこの制度を
2028年度中に導入する予定としています。
将来的には
- 空港での入国審査の簡素化
- ウォークスルー型ゲート
なども想定されており、
入国管理のデジタル化が進む流れが見えます。
■ 最後に
今回のニュースは、
「永住申請が30万円になる」
というインパクトの強い見出しが先行していますが、
実際には
- 上限額の見直し
- 具体額は未定
- 入管制度全体の見直し
という内容です。
外国人が増える社会の中で、
制度も少しずつ変わっていきます。
重要なのは、ニュースの見出しだけで判断するのではなく、
制度の仕組みを正しく理解することだと思います。
今後、国会での審議や政令の内容によって、
具体的な手数料も明らかになっていくはずです。
実務への影響も含めて、
また動きがあればこのブログでもお伝えしていきたいと思います。

