こんにちは。
神戸・西宮・尼崎・伊丹・宝塚・川西・猪名川など、兵庫県の阪神地域を中心に活動している行政書士の小田晃司です。
終活(相続・遺言・後見)と在留資格(VISA・帰化申請)を専門に、地域に根ざしたサポートを行っています。
前回の記事では、
- 日本では死亡しているのに韓国側では生存扱いになっているケースがあること
- 相続や戸籍整理で問題になる可能性
- 一番大変なのは「情報が曖昧」なこと
などについて書きました。
今回は【後編】として、実際に大阪の韓国総領事館へ死亡申告に行った際の流れや注意点について、実務的な観点からまとめたいと思います。
必要書類は韓国総領事館のホームページに掲載されている
死亡申告に必要な書類については、韓国総領事館のホームページに掲載されています。
主なものとしては、
- 死亡申告書
- 死亡届記載事項証明書
- 家族関係証明書
- 基本証明書
- 住民票
- 本人確認書類
などです。
また、日本人配偶者が亡くなったケースなど、状況によって必要書類が変わる場合があります。
そのため、
「まずは領事館のホームページを確認する」
ことが重要になります。
書類収集よりも大変なのは「完全翻訳」
実務上、少々厄介なことは
「必要書類を揃えただけでは足りない」
という点です。
例えば、
- 死亡届記載事項証明書
- 住民票
- 戸籍謄本
など、日本側で取得した書類については、
原則として全文翻訳が必要
になります。
つまり、
必要箇所だけ翻訳すればよい
という運用ではありません。
実際に総領事館で私も確認していますが、
提出された書類は最終的に韓国側へ送られ、韓国の担当者が確認するため、
内容が読めない場合は受付できず返却になる可能性がある
との説明がありました。
つまり、
- 一部分だけ翻訳
- 自分が必要と思う箇所だけ翻訳
ではなく、
書類全体として読める状態にしておく必要がある
ということになっています。
死亡申告書そのものもハングルで記載が必要
さらに重要なのが、
総領事館へ提出する死亡申告書は、基本的にハングルで記載する必要がある
という点です。
特に、
- 名前
- 本籍地
- 死亡日時・場所
- 住所
などをハングルで記載する必要があります。
しかし実際には、
在日韓国人の2世・3世の中には、ハングルが書けない方も少なくありません。
そのため、
- ハングル表記を調べる
- 地名の発音を確認する
- 古い韓国地名を特定する
といった作業が必要になることもあります。
総領事館は「日本の役所」とは少し雰囲気が違う
実際に総領事館へ行ってみると分かると思いますが、日本の役所とは少し雰囲気が違います。
まず、入館前に持ち物チェックがあります。
空港で行われるような、
- 荷物確認
- セキュリティチェック
を受けてから入館する流れになります。
また、
領事館内は写真撮影不可
です。
窓口では日本語対応は可能
一方で安心できるのは、
受付窓口には日本語で対応できる方がいる
という点です。
もちろん国によって違いがあるかも知れませんが、韓国の手続きでは日本語で説明を受けることができます。
ただし、
- 韓国語特有の表現
- 戸籍制度の違い
- 家族関係登録制度
など、日本とは制度が異なる部分もあるため、
ある程度事前に整理して行った方がスムーズ
だと思います。
「昔の話だから放置」で済まない場合もある
死亡届など過去の手続きについては、
「昔のことだからそのまま」
では済まないケースもあります。
特に相続の場面では、
- 誰が亡くなっているのか
- 親族関係がどうなっているのか
- 韓国側でどのように登録されているのか
が問題になる可能性があります。
実際、
死亡申告がされていないことで、相続手続きや家族関係確認がスムーズに進まなくなる可能性
があります。
そのため、
「今は困っていないから大丈夫」
ではなく、
「次の世代が困らないように整理しておく」
という視点は非常に大切だと感じています。
最後に
韓国への死亡申告手続きを通じて感じているのは、
これは単なる行政手続きではなく、
家族の歴史や記録を整理する作業でもある
ということです。
特に戦前から日本で暮らしてきた在日韓国人のご家庭では、
- 情報が断片的
- 当時を知る人が少ない
- 資料が不足している
というケースも珍しくありません。
だからこそ、
「分かるうちに整理しておく」
ことには大きな意味があるのだと思います。
もし、
「うちも昔の手続きがどうなっているか分からない」
という場合は、一度確認してみることをおすすめします。

