#76 成年後見制度の見直し(終身制廃止)とは?わかりやすく解説します

02後見制度(法定後見・任意後見)

こんにちは。神戸・西宮・尼崎・伊丹・宝塚・川西・猪名川など、兵庫県の阪神地域を中心に活動している行政書士の小田晃司です。終活(相続・遺言・後見)を中心に、地域に根ざしたサポートを行っています。

今回は、Yahoo!ニュースでも取り上げられている成年後見制度の見直し(終身制の廃止)について書いてみました。

結論から言うと、今回の見直しは
「一生続く制度」から「必要なときだけ使える制度」へと見直しが検討されているという大きな転換です。


そもそも、成年後見制度って何?

成年後見制度は、

一言でいうと、認知症などで判断力が低下した方を法律的にサポートする制度です。

たとえば、銀行の手続き、不動産の売却、施設への入所契約など——こういった「重要な手続き」を、本人に代わって進めることができます。

一見すると便利な制度ですが、「使いにくい制度」と言われているのを何度も聞いてきました。


一度始まると、亡くなるまで続く

80歳のAさんは一人暮らし。最近少し物忘れが増えてきました。

Aさんには空き家があり、こう考えています。

「あの家を売って、そのお金で老人ホームに入ろう」

ところが、不動産を売るには売買契約が必要です。これは法律上とても重要な契約なので、判断能力に不安があると見なされると、その契約が後から無効になる可能性があります。

不動産会社としても、「このまま進めると後でトラブルになる」と判断します。そこで言われるのが、

「成年後見人をつけてください」

という一言です。

後見人がつけば、本人に代わって適法に契約ができます。空き家は売れて、老人ホームにも入れる。本来の目的は、ここで達成されます。


でも、ここで終われない

現行制度では、不動産の売却が終わっても、後見はそのまま続きます。

日常の財産管理、お金の使い方、あらゆる契約——
すべて後見人の管理下に入り続けます。原則として、亡くなるまでです。


何が問題なのか

■ 自分のお金なのに自由に使えないことがある

「孫にお祝いをあげたい」「たまには贅沢をしたい」

こうした日常的な支出にも、後見人の判断が必要になることがあります。


■ 費用が長くかかる

専門職(弁護士など)が後見人になると、月2万〜6万円程度これが長期間続くため、数百万円規模になることもあります。


■ 後見人を変えられない

ここは非常に重要なポイントです。法定後見制度では、後見人は 家庭裁判所 が選任します。

そのため、

  • 相性が合わない
  • 対応に不満がある
  • 家族に代わってほしい

といった理由だけでは、簡単には変更できません。

実際に、「後見人を交代できない」こと自体が問題として指摘されています


なぜ、こんな仕組みだったのか

理由は明確で、本人を「守ること」を最優先にしているからです。

  • 詐欺から守る
  • 財産を守る

その結果、本人の意思や自由が制限されやすい構造になっていました。


そして今回の見直しへ

こうした課題を踏まえ、現在、制度の見直しが進められています。

主な方向性は次のとおりです。


■ 必要性がなくなれば終了できる仕組みの検討

判断能力が回復しなくても、支援の必要がなくなれば終了できる仕組みが検討されています


■ 必要な範囲だけ支援する仕組み

特定の行為だけ代理する」など、支援内容に応じて制度を選ぶ仕組みが検討されています


■ 後見人の交代の柔軟化

現在は難しいとされる後見人の交代についても、新たな解任事由の検討が進められています

※厚生労働省「成年後見制度の意直し等について


一言でいうと

「一生続く制度」から
「必要なときだけ使える制度へと見直しが検討されている」


この見直しの意味

これまでの成年後見制度は、「使いにくい制度」という側面があったのではないかと思いますが、

しかし今後は、「必要なときに、必要な分だけ使う制度」へと変わっていく可能性があります。


最後に

今回の見直しは、単なる制度変更ではありません。「守るために制限する」から
「本人の意思を尊重する」という、考え方そのものの転換ではないかと思います。

この流れは、今後の終活や老い支度を考えるうえでも、非常に重要になっていくと感じています。


ご相談について

成年後見制度のこと、遺言や相続のこと、老後の備えについて気になることがあれば、お気軽にご相談ください。特に任意後見公正証書の作成支援なども受けております。
阪神地域を中心に、お一人おひとりの状況に合わせて丁寧にお話を伺っています。

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