#23 配偶者に全財産を残したい──その想いを確実に叶える方法

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こんにちは。神戸・西宮・尼崎・伊丹・宝塚・川西など、兵庫県の阪神地域を中心に活動している行政書士の小田晃司です。
公正証書遺言や相続のサポートを中心に、「想いをかたちに残す」お手伝いをしています。
家族が安心して暮らせるように、法律の専門家として、一人ひとりの状況に寄り添ったご提案を行っています。


「妻(夫)に全部残したい」という想いに寄り添う

長年連れ添った配偶者に、自分の財産をすべて残してあげたい。
そう願うのは、ごく自然な気持ちです。特に、子どもがいない夫婦や、配偶者の今後の生活を心配される方にとっては、切実な想いでしょう。

けれど、「自分の財産だから、遺言書がなくても配偶者に渡るはず」と考えていませんか?
実は、遺言書がない場合、民法で定められた相続のルールに従って財産が分けられます。
そのため、配偶者にすべてを残すという想いが、そのままでは実現できないケースも少なくありません。

大切な人を守るために、今できることがあります。
それが「公正証書遺言」です。


法定相続分と遺留分──知っておくべき基本のルール

法定相続分とは

民法では、誰がどれだけ相続するかがあらかじめ決められています。これを「法定相続分」といいます。
たとえば、配偶者と子どもがいる場合、配偶者が2分の1、子どもが残りの2分の1を分け合います。

一方で、子どもがいない場合には、次のようになります。

  • 配偶者と親が相続人の場合:配偶者が 3分の2、親が 3分の1

  • 親もすでに亡くなっていて兄弟姉妹がいる場合:配偶者が 4分の3、兄弟姉妹が 4分の1

このように、遺言書がなければ配偶者に全財産を残すことは原則としてできません。
だからこそ、「配偶者に全部残したい」という想いを実現するには、公正証書遺言で明確に意思を残しておくことが大切です。


遺留分という壁

さらに注意したいのが「遺留分」です。
これは、一定の相続人(配偶者・子・親)に最低限保障された取り分のことです。
たとえ遺言書で「全財産を妻に」と書いても、子どもがいれば、その子には遺留分を請求する権利があります。

この遺留分を無視した遺言は、後々トラブルの種になることもあります。


公正証書遺言を使うメリット

配偶者に確実に財産を残すには、公正証書遺言が最も信頼できる手段です。

1. 形式不備の心配がない

自筆の遺言書は、日付や押印などのルールを一つでも間違えると無効になるリスクがあります。
公正証書遺言は、公証人が法律に沿って作成するため、形式上の不備によって無効になる心配がありません。

2. 紛失や改ざんのリスクがない

自宅保管の遺言書は、紛失・隠匿・改ざんなどのリスクがあります。
公正証書遺言は原本が公証役場に保管されるため、そうした心配がありません。

3. 家庭裁判所の検認が不要

自筆の遺言書は発見後に家庭裁判所で「検認」という手続きが必要ですが、
公正証書遺言なら不要。配偶者がすぐに相続手続きを進められます。

4. 相続トラブルを未然に防ぐ

公証人という第三者が関与することで、遺言の信頼性が高まり、
「本当に本人が書いたのか」といった疑いを持たれにくくなります。これが争いを防ぐ力になります。


注意点と対策──想いを実現するために知っておくべきこと

子どもがいる場合の遺留分対策

配偶者に全財産を残したい場合でも、子どもには遺留分があります。
この場合は、遺言書に「配偶者に全財産を相続させる」と書くだけでなく、
生前に子どもへ説明しておくことがとても大切です。

また、生命保険や死亡退職金など、遺留分の対象外財産を活用する方法もあります。


借金がある場合のリスク

借金がある場合、配偶者が相続すると借金も引き継ぐことになります。
この場合、遺言書とあわせて借金の有無を整理しておくことが重要です。


不動産や預貯金の取り扱い

不動産を配偶者に残す場合、登記の名義変更が必要です。
預貯金も金融機関ごとに手続きが必要になります。
公正証書遺言があれば、これらの手続きがスムーズに進みます。


公正証書遺言作成の実務的な流れ

  1. ヒアリング:ご本人の想い・家族構成・財産を丁寧にお伺いします。
  2. 原案調整:内容を整理し、法的に問題がないよう必要書類(戸籍謄本、不動産登記簿等)を確認しながら調整します。
  3. 公証役場での作成:公証人と調整し、正式な遺言書として原案を作成します。
  4. 当日(遺言書作成):ご本人、公証人、証人2名立会いのもと公正証書遺言書が作成されます。

専門家からのアドバイス──配偶者を守るために

「配偶者に全財産を残す」という想いは、とても尊いものです。
ただし、それを確実に実現するには、法律上の正確さ家族の理解の両方が欠かせません。

生前に話し合い、想いを共有することが、
相続後のトラブルを防ぎ、家族の絆を守る最も確かな方法です。


まとめ──想いを確実に形にするために

「配偶者に全財産を残したい」
その想いを叶える最も確実な方法が、公正証書遺言です。

法律のルールを理解し、適切な形で遺言を残すことで、
大切な人を守り、家族の安心を未来につなぐことができます。

遺言書は、「残される人への、最後の贈り物」です。
今できることを、一緒に考えてみませんか?


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